新・高田絢子な日々

毎日を満喫するために模索中です。

言葉という表現。詩人・大岡信さんが亡くなった。


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おはようございます、高田絢子です。

詩人、大岡信さんが亡くなったそうです。

戦後日本を代表する詩人の大岡信さんが死去 - 産経ニュース

 

享年86歳。

私は文字を読むのが好きで、

詩を読むのも大好きです。

短い言葉の中に、表現される

広大な世界。

長さゆえの大きさではなく、

凝縮された中に存在する

大きな空間にいつも圧倒され

芸術において、磨くということは

無駄を削っていくことだ

といった、私の尊敬するピアニストの言葉を連想させます。

 

大岡さんの

言葉の力という文章が素敵なので

ここでご紹介しようと思います。

 

言葉の力        大岡 信

 人はよく美しい言葉、正しい言葉について語る。しかし、私たちが用いる言葉のどれをとってみても、単独にそれだけで美しいと決まっている言葉、正しいと決まっている言葉はない。ある人があるとき発した言葉がどんなに美しかったとしても、別の人がそれを用いたとき同じように美しいとは限らない。それは、言葉というものの本質が、口先だけのもの、語彙だけのものだはなくて、それを発している人間全体の世界をいやおうなしに背負ってしまうところにあるからである。人間全体が、ささやかな言葉の一つ一つに反映してしまうからである。

 

 という素敵な書き出しから始まる

言葉の力という作品は、

このあとに桜の木の話を書いています。

桜の木は花だけがピンク色なのではなく、

花を咲かせるときは、木の内側全体が

ピンク色になっていて、

私たちは花だけでその色を見ることができないが

見えない部分では一生懸命、

その色を作り出しているんだ、という話が

書かれています。

 

言葉も、その言葉が美しいのではなくて

その言葉を言った人のすべてが内包されて

輝きを増す、ということですよね。

 

美しい人、というのは

顔がきれいとか

化粧がうまいとか

洋服のセンスが良いとか

スタイルが抜群とか

それだけではない気がします。

 

内面がその人を、より輝かせることは間違いない。

 

美しく生きる、ってどんなことだろう?

そんなことを考えることが増えました。

だって、外見ばかりに捕らわれていても

老いは間違いなくやってくるし

若返っていくことは、時間の法則からしても

あり得ないことです。

 

努力はするけど、

今の自分、そしてこれからの自分にあった

美しさを追求したいものです。

 

弱くなるときもありますが、

正しい選択を重ねていきたいと思います。

 

あとはね、

言葉というのは伝えるためのツールの一つなので

最近は、ちょこちょこ勉強しています。

普段使うからこそ、

上達させていくというのもなかなか良いものです。

 

言葉という誰もが持っている技術で

自身を発信し続けた

大岡信さんのご冥福をお祈り申し上げます。